「じゃあまずバタ足を練習しようか」
「バタ足ってあれか。あの水中で足を上下にする、バタバタバタ〜ってやつか」
「あ、まあそんな感じだろうな。まずはプールサイドを持ったままやってみようか。
バイエルラインはビッテンフェルトの後ろについてやってくれ。間違っていたらお前が直すんだぞ」
尊敬すべきミッターマイヤーに仕事を任された!
バイエルラインは先ほどの痛みも忘れて喜んだ(心の中で)
バイエルラインは知らない・・・。
この後先ほどとは比べ物にならないほどの恐怖が襲い掛かってくる事を。
「じゃあ始めてください」
向こうを向いていたビッテンフェルトが一瞬こっちを振り返った。
その時バイエルラインの頭を不吉な予感がはしった。
「わかった。フンッ!」
との気合とともにビッテンフェルトの恐怖のバタ足が始まった・・・。始まってしまった・・・。
「う・・・前が見えないぞ・・・」
ビッテンフェルトのバタ足の起こす水しぶきによってバイエルラインは視力を奪われた・・・。
そして、これがバイエルラインの不幸の始まりであった・・・。
最初にバイエルラインを襲ったのはビッテンフェルトの丸太のような右足であった。
ボコッ・・・ザブーン・・・(きゃぁ〜〜〜)
「なんだ、どうしたんだ?おい、バイエルライン、バイエルライン」
「どうしたんでしょうか・・・」
バイエルラインの悲鳴を聞いたミッターマイヤーとミュラーが外で慌てている時・・・
バイエルラインは二つ目の不幸にみまわれていた・・・
一度沈んだバイエルラインが浮かんできたところをしたからきたビッテンフェルトの
同じく丸太のような左足が腰を強打したのである・・・
バシッ・・・ヒュ〜・・・(グハッ・・・)
そして連続して三つ目の不幸が訪れた・・・
左足の直撃を受けたバイエルラインは宙を浮いていた。
そのままバイエルラインは水しぶきから脱出したが・・・
ガンッ・・・バシャ〜ン(ぎゃ〜〜・・・・・)
バイエルラインは天上への供をミュラーに頼んだ。
2人が重なり沈んでいくとビッテンフェルトのバタ足は止んだ・・・
「おい・・・バイエルライン?ミュラー?何処へ行ったんだ」
「沈んだんじゃないのか(特にバイエルラインは・・・)ちょっと待っていろ」
そういうとミッターマイヤーは水中に入っていった。
「ブヴァアアアア(いったあああああ)バビヴェルヴァイン(バイエルライン)
バヴィヲビヴェビブンヴァ(何をしているんだ)」
「・・・・・・・・」
ミュラーの上に乗っているバイエルラインに動きはなかった。
「????」
一応ミュラーは動かないバイエルラインを後から来たミッターマイヤーとともに水中に上げることにした。
「おい!バイエルライン!バイエルライン!起きろ!」
(おや・・・おかしいな目の前に閣下のお姿が・・・)
「ん・・・閣下・・・」
「おお、バイエルライン。よかったよかった」
そういうとミッターマイヤーはバイエルラインの頭に抱きついた。
(閣下が私の心配を・・・おじいちゃん、私はまだそっちにいけないよ<危ないぞお前・・・>)
「目の前にきれいなお花畑が見えていたんですが・・・」
「それは危なかったな・・・」
「ケッ!あんなのでのびるなってんだよ」
(あれでのびない奴がいるかってんだよ、この猪!)
「すいません。もう少し体を鍛えないといけませんね」
「で、俺に水泳を教えるって言うのはどうなったんだ」
(俺の状態を考えろ!!!)
「今日はもう帰ろう。バイエルラインを一度病院に連れて行かないといけないしな」
「いえ、私は大丈夫ですので」
ゆっくりとたったバイエルラインはフラフラと横に引っ張られるように移動していき
再びプールのそこに沈んだ・・・
「は!私は・・・・・」
勢いよく起き上がったバイエルラインは愛しい上官の部屋にいた。
「あ、起きたか。あの後大変だったんだぞ。ビッテンフェルトを黙らせるのとお前を病院に運ぶのと・・・」
「すいません・・・。私がだらしないぱっかりに・・・」
「いや、あれをくらって生きていられるお前は凄いよ・・・」
「何か私くらいましたっけ?」
「え、あ、いや、覚えていないのならいいんだ・・・」
「あ、もうこんな時間ですか。では、私は・・・」
そういうとふらふらと頼りない歩調のバイエルラインは家を出て行った。
「大丈夫かなぁ・・・」
次の日、場所・海鷲
「バイエルライン・・・その傷はどうしたんだ」
ミッターマイヤーの目の前には昨日はなかった傷を体につくっているバイエルラインがいた。
「それが、朝起きたらこんな傷が・・・。それに何故か台所で寝ていたんです・・・」
「なんだそりゃ!バカか貴様は!」
バイエルラインがおかしくなった原因がうるさくわめく。
「ビッテンフェルトお前のせいでこうなってるんだぞ。反省しないか」
ミュラーの正しい指摘を受けて、ビッテンフェルトが面白くなさそうに水割りを口に放り込む。
「それより、俺あのあと夜間でもやっているプールにいって練習してたら15M泳げるようになったぞ!」
「おお、流石ビッテンフェルト。やればできるじゃないか」
「本当ですね。私は少しでも役に立てたんでしょうか」
(このやろう・・・。俺に痛い思いをさしておきながら・・・)
「ん?あんまり役に立ってないな。だってお前のせいで練習できなかったし」
「おい、それはバイエルラインに失礼だろ」
「あ、すまんすまん」
そういいながらビッテンフェルトはバイエルラインの頭を数回叩く。
「それより今日夜プールに来てくれないか」
その瞬間不幸な被害者2人は気が遠くなるような思いがした・・・
一人は本当に気が遠くなってしまったが・・・
本当にあなたたちは平和だね・・・
あとがき
なんだかビッテンからバイエルに・・・
ま、これでもいいんじゃないかと言う事で書いちゃいました。
ごめんなさいみつえさん(;;)
みつえより
無理なお願いだったのに、短期間でまとめてくださって、ありがとうございました!
鏡さん、まだ中学生だというのに、本当に文がお上手ですね。
これからもよろしくお願いしますね!
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